宗徧流の茶道について

当流茶道は、師匠、空間、茶道具、点前、許状で成り立っています。点前をとおして、身体の動かし方と茶道具の扱いを指導します。稽古は、点前についての知識の指導、身体の動かし方の指導、茶道具の説明、茶道具の扱いの割稽古を行い、茶道具の置き位置を学び、点前の順番を覚えていきます。「親よりも長い付き合いで親以上の関係」と弟子が言うほどの面倒見を体験し、茶道宗徧流の伝承の一員になりませんか。

つねをはれに、はれをつねに

茶道は日常の生活を洗練させたものです。茶道で学んだこと、非日常・ハレの気持ち、所作、感覚を、日常生活でももちましょう。宗徧流の指導では先生・同門との絆づくりを行い、育成が楽しいと思える稽古場を運営することで教授者を育成し、日本文化の美と歴史を継承していきます。

指導理念

“茶道は点前をとおして身体の動かし方と道具の扱いを学び、日本の美とその心を会得する修道です”

茶道は唐物(からもの)という、中国文明が一番栄えた南宋(1127~1279) 王朝の文物を用いた、南宋時代の高級飲料であった抹茶を用いて、権力者の饗応(もてなし)として始まりました。

南宋など、中国の宝物である唐物を引き立てる空間作り、飾り方、扱いの仕方が、武家礼法とも絡みながら、鎌倉室町と日本人の好みに合わせて改良されてきました。そして南宋の精神と美意識を咀嚼する中、数が限られる唐物から、日本人が製作した茶道具が主流になっていきます。

元々もてなしとして始まり、少数の富裕層が楽しめる茶の湯と呼ばれていましたが、たしなむ人口が増え、もてなしをするよりも、学ぶことが主体になり、抹茶をお客様に点てる「点前」を学ぶことが稽古として成立します。そして稽古自体が目的化し、もてなしの「茶の湯」から、点前を学ぶ稽古事の「茶道」への転換が進み、日露戦争後女性向けに体系化され、現代へとつながります。

高級美術品である唐物を持てない人でも楽しめる茶の湯の在り方を目指した、利休のコンセプトの継承者である宗徧ですが、大名である小笠原家に仕え、武家向きの唐物を主体とした室町風の茶と、 降の町人向けの茶という二面性で、自身の茶を体系化しました。

事足りぬ(シンプル)、物寂びを標榜し、フォーマルを身に着けてから、崩してカジュアルを楽しむことが美意識の特色です。まずは正座に慣れ、点前の流れと床飾り、季節感を平点前という稽古で学びます。次に、日本独自のもてなし「飾りつけ」を学ぶ丸香台、長板、格のある動きを身に着け、宝物の扱いを学ぶ、武家風の真の点前を学び、カジュアルからフォーマルへ動きと心の向上を目指しています。

入門後に学ぶ所作8つの特色

宗徧流らしさを明確にするため、独特な所作を8つ最初に学びます。

  1. 茶盌の持ち方
    脇を締め、肘と指を伸ばして、手首を直角にまげて取ります。攻め込まれない、という武術の応用です。
  2. 割手にならない
    器と器の間に手を入れると、きれいに見えないところから、当流で大事にしている道具の扱いです。
  3. 間をとる
    抹茶を点てる前に、湯に通す所作「茶筅とおし」などの折に、緩急をつけた動きで、客を飽きさせないよう間をとります。
  4. 茶盌の温め方
    抹茶のもてなしは、茶盌を温めることが大切です。日本人は唇の感覚が鋭いので、茶盌だけでなく、飲み口までよく温めます。
  5. 柴手水
    濡れたものに触れた後、気持を改めるために行う当流独自の所作で、山伏が水のない山の中で、手を浄めるために行った所作から来ています。知らない方が不思議に思う所作です。
  6. あしらう
    道具を取ったり置いたりする際、一手加えることで、丁寧さが身につく当流独自の所作です。
  7. 半月をつくる
    当流では抹茶の泡をたてすぎず、点てた後、泡を茶筅で漢字の二の字を書くようにして、泡で半月の景色を作ります。
  8. 抹茶の飲み方
    脇を締め、肘を上げるという所作は、武術の奥義と結びついています。正座をし、抹茶を飲むことで、武士が心を落ち着け、動きを鍛えました。

美的センスを身につけるための指導の特色

  • 身体論 侘びを身体化します
    当流では、点前の完成度を高めるため、点前を体の動かし方、美術品である茶道具の扱いという技術に分解して、細部の完成度を高め、知識を伝え美をつくりだします。
  • 割稽古
    侘びは完成を目指し、努力している謙虚な姿です。肩の力を抜き腰に集中し、狭い空間で他人に迷惑をかけず、建物などにぶつからないよう、動きの無駄をそぎおとして、思考の無駄もそぎおとし、気配を察しやすくし侘びを身体化します。
  • もてなしの茶
    短期間での点前の習得を目指す、当流独自の指導法です。点前を身体の動かし方と道具の扱いに分解し、細部の完成度を高める指導を行います。主客の問答という、自分の言葉で話し、相手の言葉を受け入れられるためのコミュニケーションの指導もあります。
  • インストラクター制度
    日本文化を広める人になりたいけれど、茶道の先生は難しそう、という現代の声に応え、和の動きと抹茶の飲み方、点て方などを教える資格があります。

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